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闘病する子供との付き合い方。難しい

乳幼児から小児期、思春期とどの年齢でも罹患する疾病のひとつが「がん」です。特に小児がんは若年成人までの悪性腫瘍の総称で、少なくとも1万人に1人の確率で発症が報告されています。日本では毎年100万人程度の出生がありますので、同い年の中で100人程度は罹患しています。総数でいうと、少なく見積もって2500人/年です。

抗悪性腫瘍剤「グリベック」で知られる、ノバルティス ファーマ(株)には、抗がん薬の創薬に伴う様々な秘話がサイト上に掲載されています。特に、小児がん治療はこの30年で飛躍的に進歩を遂げ、生存率は9割にも達するようになりました。特に、白血病患者の生存率も上がっています。

ただ、そこには弊害もでているのです。強い薬剤を体内に取込むことから、脱毛や数年から10年近くもの病棟での生活に慣れてしまい、社会生活へうまく馴染めるかどうかの心配や、現実に起っている二次発症や合併症の可能性への恐怖などが、闘病生活でときどき「葛藤」となってでてくるわけです。

子供の親も、なぜこのような強い薬剤投与を行うのか、なぜ子供が疼痛を味わうほどの薬剤に頼らなければならないのかが、なかなか理解できません。子供も親も時として自我のコントロールを失い、看護師の言葉にも反応しなくなることが多くなるのです。また、こうした病棟は、限られた主治医や看護師としか信頼関係が築けないことがよくあります。

カルテ上でしかコミュニケーションが取れない「多忙な」医師が、主治医よりも強い口調で患者と接する事で、看護師が子供の閉ざした心を開くのに、非常に困難を経験します。子どもは自分の病気を理解していないのではなく、医師や看護師の様子から、自分の体調の変化を察します。ですから、ありのままに今の状況を伝えることしか、コミュニケーションを適切に取る方法はありません。

一番難しいのは、退院後に再び発症する確率の高い中で、人生の大部分を過ごして行かなければならないことを伝えるときです。もし、20歳で退院できたとしても、その後に就職して結婚し、仮定を築くことができるかどうかは、誰も保証することができません。病棟内でも、治るのか治らないのか、不安の中で生きてきた時間が長く、成長期でそれを体験しているわけですから、確実なものなど、世の中には存在しないという固定観念が生まれるケースが増えてしまいます。闘病する子どもとの付き合い方は、本当に難しいのです。

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